頬に傷のある団長のレオナード・ロバーツは、若い頃に武勲を立ててその地位まで登りつめたという。
強さで彼の右に出るものはいない。間違いなく、この国で最も強い男である。
長髪をかきあげて、豪快に笑う姿は男女問わず虜にさせる。彼に憧れて騎士団を志す男子も多いという。
目をハートにした令嬢たちに囲まれて、楽しそうに笑っているのはランハート・ロペス。
女性とトラブルを起こしがちなところは玉に瑕だが、剣の腕前は随一だという。
そして、最後はルーカス・ウォード。
周りの人間なんて知らんぷり、常に無表情で他人に興味のない男。切れ長の目がより一層クールに見せる。
無愛想なのに人気があるのは、生まれ持った顔の良さのお陰だろう。
アメリアも他の令嬢に倣って、彼らをじっくり観察する。
何度も街に来ているけれど、騎士団に遭遇するのは初めてだった。
(私が普通の女の子だったら――あの子たちみたいにときめいて、恋をしていたのかな)
そんな、まさか。
ないものねだりを打ち消して、アメリアはベンチから立ち上がった。
