病室の窓から桜吹雪を眺めた。異性との出

逢いに待ち焦がれた鶯が唄うように鳴いて

いる。きっとこれが最後の春だ。私はもうすぐ

死ぬ。もう愛読書を何度読み返しても「生」

に対して希望が湧くことは無かった。


人は戦うことを辞めたとき、敗北するらしい。