誰よりも強い私が恋愛を知る話。

「はい、じゃあ解散」

一日目は授業は午前中だけなので、今から3組に行って直ぐに帰ろうと思っていた。

「羽栗。」

「ん?先輩?」

後ろのドアからズカズカと私の教室に入ってくる。

すると私を教室から連れ出そうとしてくる。

「え、ちょ、」

先輩に手を取られ、机の上に置いてあった荷物を落としてしまった。

「ほんと、よく落とすな」

「いや、あんたが引っ張るからでしょ」

私が軽く言い返すと、少し笑って、荷物を拾ってくれた。

「お前、彼氏は?」

「は?いませんけど」

「そうか。」

私を連れ出すのは危険と判断したのか、先輩は教室の中で話し始めた。

初日ということもあって、クラスメイトはどんどん他の教室の友達のところへ分散していく。

最後に残っていた女の子が、教室を出たその瞬間だった。

「じゃあ、俺と付き合わないか?」

「は?、、はあ?!!」

こいつは一体何を言い出すんだ。

急に連れ出そうとしてきたと思ったら付き合うとか、ほんとに意味わかんねぇ。

「お前、もしかして付き合うとか知らないのか?アホそうだとは思っていたがここまでとは、、」

「は?ふざけんな。わかってるわ」

「じゃあなぜ『ありえない』って表情をするのだ」

「そんなの、急だからに決まってんだろ!」

「だいぶヤンキーが出てきたな。これが本性か。」

「うるせぇ。からかうんじゃねえよ」

せっかく新しいクラスでは変な目立ち方をして浮かないように言葉使いまで気を使っていたのに。

誰もいないことが不幸中の幸い、というやつなんだろうな。ほんとに。

「まあ。返事は今すぐじゃなくていい」

「は?お断り一択ですけど」

「だからだ。じーっくり考えてもらう。俺に惚れたら教えてくれ」

そう言ってまた、先輩は私の返事を聞かずに教室から出ようとした。
ので、

「ふざけんな!誰か惚れるかー!」

と、背中に向かって叫んだ。