誰よりも強い私が恋愛を知る話。

「かかってこいよ」

「お前のその言葉、あの世で後悔させてやるよ」

最近流行っている漫画に感化されたのか、相手の総長は明らかにクサイセリフを言いながらさっくんに襲いかかる。



さっくんはあっさりと負けてしまった。

そりゃそうだ。

相手はさっくんの圧倒的な欠点に漬け込んだのだから。

「さすが雑魚」

「このやろ、、」

「そっちのおじょーちゃん、こいつの彼女かな?早めに帰りな。俺が顔を覚える前に」

顔を覚える前に、、なら

「多分大丈夫」

『メイクもウィッグもしていない状況で顔でも覚えられて退学になったら、、』
と思って私は今まで何もしなかったし、さっくんもそう思って私が戦う状況を作らなかったんだと思う。

でももう既に3回、夜に敵として会っているのに、このタイミングで思い出せないやつに私の顔なんかを覚えられるわけが無い。

1発反撃と行きますか。

「は?お前、自分の立場わかってて言ってんのか?」

「そっちこそ、私たち黒鷲に手だして何も無く帰れるとでも??」

「は?私たち?なんだ、やっぱり誰かの彼女か」

「彼女、では無いと思うけど。」

「ふーん。ま、別に関係ねぇけど。彼女ちゃん、顔を覚える前に逃げないと、明日生きて起きれないかもよ?それでもいいなら俺も大歓迎だけどよ」

「たしかに、顔を覚えられる前に」

「そうそう グハッ!」

「こっちゃん!かわいいこっちゃんに助けられるなんてちょっと複雑だけど、ありがとう!」

「全然大丈夫、お兄で慣れてるから。それより1発で記憶失うとか、弱っちい総長」

「まあいいんじゃない?この族特有の粘り強さ感は無かったけど。」

「だよね。早く行くか、お兄たち待ってるだろうし」

「そうだね!」

「え、、?」

私たちが回れ右をして歩き出した時、ちょうど私の真後ろとなって死角となってた場所によく知る人影があった。

「なんで、、」

「こっちゃんの知り合い?」

「し、知らねぇよこんなやつ」

「…こちらの人違いだったようだ、気にしないでくれ。ジロジロ見て、すまなかったな。」

なんであいつがここに。