「おはよう! 音寧。今日も相変わらず拓斗くんと仲良しね」
拓斗と一緒に教室に着くと、クラスメイトで友達の怜ちゃんが話しかけてきた。
「おはよう、怜ちゃん。やだ、もう。からかわないでよ」
「ていうか、あんなにかっこいい彼氏がいるってほんと羨ましいわ」
怜ちゃんに言われて、わたしは同じ教室の少し離れた席に座る拓斗のほうを見る。
拓斗は、友達と楽しそうにお喋りしている。
怜ちゃんの言うとおり、拓斗は確かにかっこいい。
サラサラとした黒髪に、くっきりと綺麗なアーモンドアイ。
背もモデル並みに高くて、スラリとしていて。今をときめく人気若手俳優にも負けないくらいのイケメンだ。
わたしと付き合う前、拓斗はかなりモテていた。いや、今でもそれはあまり変わらないかもしれない。
わたしがしばらく拓斗に見とれていると。
……あ。



