「ごちそうさまでした」
「おばさん、美味しかったです」
ふたりとも朝食を食べ終え、わたしが自室で急いでブレザーの制服に着替えると、家の外で待っていてくれた拓斗と合流する。
「おまたせ!」
「あっ。音寧、今日はポニーテールにしたんだ? しかもこの前、俺があげたリボンの髪飾りつけてくれてるし」
拓斗、気づいてくれた……!
「やっばい、すげー似合ってる」
拓斗に、頭をポンポンとされる。
「その髪飾り、音寧以上に似合う人いないんじゃない?」
「そっ、そうかな? ありがとう」
拓斗に褒めてもらえると、シンプルに嬉しい。
「今度また、良いのがあったら買ってあげる。それじゃあ、行こっか?」
拓斗が当然とばかりに、わたしに手を差し出す。
ギュッと繋がれた手。
ただ繋ぐのではなく、指と指をしっかりと絡めた恋人つなぎだ。
拓斗の手はわたしの手よりずっと大きくてゴツゴツしてて、すごく温かい。



