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【カフカス領期年
ᛏᚺᛖ ᚣᛖᚨᚱ ᛏᚹᛖᚾᛏᚣ-ᛏᚺᛁᚱᛏᚣ-ᛏᚹᛟ】

ᛏᛟᛞᚨᚣ ᛁᛋ ᚨ ᛗᛖᛗᛟᚱᚨᛒᛚᛖ ᛞᚨᚣ

ウーリュウ藩島に、ライフラインが
引かれた記念すべき日になる。


『重なりし岩』から入った地下の聖域は、
無数に枝分かれをした迷宮になっていた。
 その無数に広がる路を、
シンパク長は迷いなく
進んで行った。

ᛏᚨᛏᛖᚨᚾᚨᚾᛟ ᚾᚨᚲᚨᚺᚨ ᛁᚾᛟᚱᛁᚾᛟᛗᛁᛏᛁ

 普段は儀式でも竪穴の入口から祈るだけだと、
言っていた割りには地図も見ないで
進むのには、さすがに驚いたな。

 竪穴の中は自然に出来た洞窟というよりも、
元世界でいうなら
『カタコンベ』に近い造りかも。

 もちろん墓ではないから、
人骨があったりするわけではないけれど、
灯りがずっと並べられていて
本当は何の目的で作られた
地下迷宮なのかと思った。

 奥に進みながら、
加工した水龍の骨=魔力石を設置していく。

ᛏᛁᚲᚨᚾᛁ ᛁᛋᛁᚹᛟ ᛟᛁᛏᛖ ᚱᛖᚾᛞᛟᚢᛋᚨᛋᛖᚱᚢ

 ギルドエックレーシアで
今回新しく発表されていた
闇属性の魔能力『連動』を、
海を統べるギルドが契約を結んで、
その能力を今回付加に加えたモノなのだけれど、
今回のライフライン計画には
うってつけの能力だったわけ。

 『水』と『光』と『火』という
シンプルな能力を付加した魔力石に、
闇属性『連動』と光属性の『発動』
それに『循環』を付加して、
それを技工師がさらに細かい能力を
陣で作り込んだモノを、
ワーフエリベスの祈りの導線に設置したのだ。

 これがウーリュウ藩島中に巡る
祈りの導線を使って引く、
異世界のライフラインなんだと感慨深いよ。

ᛋᛁᛗᚨᚷᚨ ᛋᛖᚲᚨᛁᚾᛟ ᛗᚨᚲᚢᛏᛟᚾᚨᚱᛁ ᛋᛁᛗᚨᚾᛁ ᛏᛁᚲᚨᚱᚨᚷᚨ ᚣᚨᛞᛟᚱᚢ

 コレさえ、引いておけば、
各所にあるエリベス像をポイントに、
村に生活に必要な水や光、火が
使えるようなるって思えば
暗い竪穴でも全然平気だった。

 はずが、
まさか途中の壁に現れた模様に触った途端に、
大師の部屋へ飛ばされるなんて
思ってもいなかった。

ᛁᛏᚢᛋᛁᚲᚨ ᛏᛁᚲᚨᚱᚨᚺᚨ ᚠᚢᛃᚢᚾᛒᚢᛏᚢᛏᛟ ᚹᚨᚲᚨᚱᛖ ᚠᚢᛃᚢᚾᚷᚨ ᚲᛏᚨᛏᛁᚾᛁᚾᚨᚱᚢ

 そこで会ったのは4年ぶりの、、大師で。

 このウーリュウ藩島が調整世界で
どんな位置づけかを教えてくれた。

 元世界と異世界は縦と横で布を織りなす様に
存在していて、
元世界の隣には他の世界があって、
それこそ小説にあるみたいな世界が無数に
存在するとか。

 それらは時間だったり、場所だったりを
縦糸にしながら繋がっているのだけれど、
元世界の3次元をすっぽり包むようにして
有るのが
この調整世界だとか。

 唯一の物質世界である3次元世界の存在は、
とても大切らしくて、
そのエネルギーの調整をしているのが
この調整世界だとも
大師は言っていた。

ᚲᛟᚱᛁᛃᛟᚢ ᛟᛟᚲᛁᚲᚢ ᚾᚨᚱᛗᚨᛖᚾᛁ ᛞᚨᛋᛁᛏᛖᛋᛁᛗᚨᚹᚨᚾᚨᚲᚢᛏᛖᚺᚨ ᚾᚨᚱᚨᚾᚨᛁ

 元世界のフィルター世界なんだって。

 そのフィルターと元世界の隙間にエネルギーが
最近溜まり過ぎていて、
それを解消する為に、
あたしが此処に飛ばされてきた訳だけれど。

 このタイミングでの、大師との再会は
予定調和みたい。

 だから、あたしがウーリュウ藩島に
祈りの路を使ってライフラインを作ったのは
正解だったと、やけにご満悦だった。

 でも4年だよ?何時になれば帰れるの?
って聞いたら、そろそろ帰りを目指せばいいって
言って消えちゃうんだもん。

ᛗᚨᛁᚲᛖᚱᚢ ᛏᛟ ᛋᛁᛗᚨ ᚠᚢᛏᚨᛏᚢᛞᛖ ᛏᛁᛃᚨᚱᚨᚹᛟ ᛒᚢᚾᚲᚨᛁ ᚲᚨᛁᚲᛁᚾᛟ ᚺᛟᚢᛋᛟᚲᚢᛞᛖ

 気がついたら、
模様の前から急に消えたって大騒ぎする
皆の前に立ってるんだもん、反則でしょ。

 この調整世界は、
あたし達の元世界と繋がっている。

ᛗᚨᛁᚲᛖᚱᚢ ᚣᛟ ᛗᛖᛉᚨᛋᛖ ᛖᚲᚨᛁᚹᛟ

 フィルターっていうのなら、
溜まるエネルギーが何であれ、
ウーリュウ藩島の民が持つ魔力は
そのエネルギーに関係しているのかもしれない。


【ᛗᛁᚲᚺᚨᛖᛚ・ᚣᚨᚾ】

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