私が 食器を洗って リビングに 行くと

「由紀乃さん。ちょっと来て。」

光毅は 自分の隣を 手で示す。

「んっ?なあに?」

私は 少し離れて 光毅の隣に 座る。

「もう一度、キスしても いい?」

「ハタ君…?」

呆れた顔で 光毅を見ると

「みつき。」

と 自分の名前を 言って 光毅は 私を 抱き寄せた。

フッと 軽いため息を 吐いて 私も 光毅の背に 腕を回す。


今更、光毅を拒んでも 仕方ないような 気がして。

光毅の背中は 筋肉が 少なくて 華奢で。

少年のような 細さが 私の心を 揺さぶる。


光毅の 幼いほどの若さを 私は 愛おしいと 思ってしまう。

まるで そんな私の 隙に付け込むように 光毅は 唇を重ねる。

光毅のキスは 稚拙だけど。

その若さが 切なくて 

私は 光毅に 捉われてしまう。