ガタンと 寝室のドアが 開いて 光毅が 出て来た。


「大丈夫?」

「はい。あの、トイレ 借りても いいですか。」

「うん。そこ出て 左のドアよ。」


トイレから 戻って来た 光毅は

「すみません。」と言った。


「ううん。具合は どう?」

「だいぶ 楽に なりました。」


私は 立ち上がって 光毅の額に 手を当てた。


「うん。熱 下がっているね。でも すごい汗。着替えた方が いいわ。」

さっき 買ってきた 着替えとタオルを 光毅に渡す。

光毅は 驚いた顔で 私を見た。


「これ…?」

「そこのスーパーで 買ってきたの。気に入らないかも しれないけど。着替えて。」

「ありがとうございます。」


光毅は 少し 笑顔を見せて 寝室に 入っていく。

着替え終わる頃を 見計らって 私は 寝室のドアを叩く。


「ハタ君、着替え 終わった?」

「はい。」

「喉 乾いたでしょう?水分 とってね。」

私は スポーツドリンクを 光毅に渡した。


「ありがとうございます。」

光毅は 一気に スポーツドリンクを飲んで また笑顔を 見せた。


「お腹 空かない?」

「はい。」

「じゃ、もう少し 眠ってね。朝には 良くなっているわ、きっと。」

私は 光毅が脱いだ服を 手に 寝室を出た。


時計を見ると 10時を 過ぎたところ。

『今夜は 私も 早寝するか』


光毅が いることで 手持無沙汰なのに 落ち着かなくて。

私は シャワーを浴びて 光毅の服を 洗濯機に セットすると、

毛布を被って ソファに 横たわった。


光毅は 眠っているのか、寝室は 静かだった。

部屋の 灯りを消して スマホを 見ていると、

私も いつの間にか 眠ってしまった。