ふわふわで気持ち良いユキを撫でながら根気強く何度も説明してる健の声をBGMにする。
ユキは昔から俺の癒しだった。
学校生活が窮屈になる度に健の家に押しかけてはユキを抱きしめていた。
人間が苦手になりつつある中で動物は癒しだと気づいてから身近なユキは健と同じぐらい大切な友達になった。
そんな狭い交友関係が広がり始めたのは、健が1人の女子と異常に仲良くなってから。
その女子は俺に対して何かを求めている様子はない。
ただ話しかけてくるだけで、俺もそれに返すだけ。
曖昧に返しても責められることがないため、気が楽だった。
そして、それはその子の友達も同じで。
彼女は隣の席になった。
正直、彼女の隣だと分かった時、戸惑った。
でも彼女は俺に話しかけることもなく、真面目に前を向いていた。
授業中も休み時間も。
球技大会の出来事が幻かのように彼女と話すことはなかったが、俺は周りを気楽な人たちに囲まれてる安心感から2人の前では取り繕わなくなった。


