それから月日は流れ、シェラは十四歳になった。体は丸みを帯び、胸も膨らみ、大人の女性の体へとなっていくシェラの美しさは七歳の頃より増している。

時が流れるにつれて、ナターリアから暴力を受けることは多くなっていったものの、愛に一度も触れたことのないシェラはすっかり慣れてしまい、「またか」と流していくようになった。

ある日、シェラがいつものようにボロボロの服を着て暖炉の掃除をしていた時のことである。バタバタと大きな足音が近付き、メイドたちがシェラの両脇を抱えた。

「ッ!何するの!?」

「奥様にお召し替えをするよう言いつけられましたので、失礼します」

シェラはバスルームへと連れて行かれ、髪を整えられて体を洗われる。サタンからのお告げがあったのか、といつものパーティーをシェラは想像していたのだが、黒いドレスに着替えさせられた後、連れて行かれたのは応接室だった。

「お客様がお待ちです」

淡々と話す使用人にシェラは首を傾げる。シェラに友達と呼べる存在はおらず、この屋敷にシェラに会いに来る人は親戚くらいだ。