「えっ!?」

突然のことにシェラは戸惑い、目の前に座っているライヴィスを見る。ライヴィスはニタニタとどこか気持ち悪い笑みを浮かべながら爪をガリガリと擦っている。

(この人と結婚……?絶対に嫌だわ!)

シェラはそう一瞬で思ったが、互いの両親は結婚に賛成しており、シェラとライヴィスを褒めつつ、いつ結婚式を挙げるのか、シェラとライヴィスの衣装はどうするのか、新居はどこにするのか、そんな話を始めていた。

「お母様、お父様、私ーーー」

シェラが話しかけようとすると、ナターリアに思い切り睨まれる。余計なことは言わずに黙っていろ、心の声が聞こえた気がした。ジュゼッペはシェラの声など聞こえていないかのように、ライヴィスのことを褒めている。

「いや〜、美貌だけが取り柄の娘にこんな立派なお婿さんが来てくれるとは、ありがたいですなぁ〜!」

互いの良心の楽しそうな笑い声が応接室に響く。しばらく両親たちは話をした後、シェラにとって傲慢とも言えることを言った。