「きゃあ!?」
「モッ……凛!?」
「モッチー」と言おうとして訂正した総長さんが私を見た。何気に名前で呼ばれたのが嬉しかった私だけど、反対に総長さんは、私を見て固まっていた。
「柊沢……なんでここに?」
「(ひいらぎざわ?)」
総長さんの目が見開かれている。その顔は初めて見る顔で……初めて見る、総長さんの「焦り」だった。
そして、どうやら私は、その柊沢さんに担がれているらしい。顔は見えないけれど、次の瞬間、その声を聴くことが出来た。
「やぁ、赤の総長。久しぶりだね」
「柊沢、なんでここに。お前、入院してたんじゃ……」
「自主退院してきたんだよ。どうにも病院は暇でねぇ」
言いながら、柊沢さんは私を持っていない方の手の指をポキポキと器用に鳴らした。その態度、少し間延びした話し方……柊沢さんは余裕のある感じだった。



