それからしばらくの間、リアンは何かと奮闘している様子だったが、クローディアのくしゃみを聞いてハッと気を取り直した。慌てた様子で集めていた枝を惜しげもなく火に焚べると、クローディアに沢山の大きな葉を差し出す。

「今からそれくらいのやつを取ってくるから、これでも被ってて」

「被るって、これを?」

「他に何を被るのさ。ほら、早く」

何がなんなのか分からないクローディアは、ひたすらに瞬きを繰り返した。葉をどうやって被れというのか。自分を残してリアンはどこへ行こうとしているのか。

「……ディア。状況、分かってる?」

「ええ。こんな格好で、寒いわね」

「だからその葉っぱを衣服代わりにしろって言ってるんだけど」

どうやって? と首を傾げるクローディアを、リアンは呆れることも怒ることもしなかった。クローディアは温室で大切に育てられたお姫様なのだ。リアンとは違う。

「……ちょっとだけごめん」

リアンは一言謝ると、クローディアの髪を後ろに流した。そうして葉を肩や胸元、膝に掛けていくと、ほっとしたように息を吐いた。葉っぱを纏った人形のようで、見た目は不恰好だが、濡れた髪と下着姿でいるよりかは少しはマシだろう。

暖をとるためか、リアンはクローディアの真横にぴたりとくっつくように座ると、ゆらめく火を見つめながら口を開いた。