寒さを感じて、クローディアは目を覚ました。

ぼんやりとする視界の中心には焚火があった。組み置かれた枝の上の火がぱちぱちと弾け、そこにまた枝や葉を追加していたのはリアンで、クローディアが目を覚ましたことに気づくと、美しい青色の瞳を大きく見開く。

「ディアッ…」

返事の代わりに頷くと、リアンは横たわっていたクローディアを抱き起こし、確かめるように抱きしめてきた。クローディアの名を呼ぶ声は濡れ、肩は小刻みに震えている。

リアンは置いて行かれたこどものような顔をしていた。はらはらと涙をこぼしながら、名を呼んでは頬に触れ、生きているのを確かめるような動作を繰り返している。

何度もそうされているうちに、次第に胸の辺りが温かくなっていくのを感じたクローディアは、ゆっくりと息を吐くとリアンの手を借りて身体を起こした。

「……ここは?」

「たまたまあった洞窟みたいなものかな。二人ともびしょ濡れだったから、とりあえず暖をと思って」

そう言って、クローディアの体調を気遣ってきたリアンは、上半身に何も纏っていなかった。俗に言う半裸というものを間近で見たクローディアは、思わず後退りそうになったが、すぐ後ろには岩の壁があり。

狭いうえ、近い。そんな空間に、リアンと二人きり。そのうえ自分が下着姿であることに気づいてしまったクローディアは、膝を丸めて手で顔を覆った。