「どしたの?」 梅森くんに聞かせたくないので、耳貸してくださいって意味で自分の耳を指差す。 金沢さんにも伝わったみたいで、私の方に耳を向けてくれた。 「この姿の時に“志歩ちゃん”って呼ばないでもらえますか?」 小声でそう言ったら、 金沢さんはなんとなく、私と梅森くんが知り合いなのを察していたのか、すぐに理解してくれて。 「わかった、今日はしほみんって呼ぶね」 そう呼ばれるのも好きではないけど、 仕方ないから『お願いします』と頭を下げた。 「………」