金沢さんが言ってた、茉美のメンタルが意外に脆いというのを実感して、
怒ってごめんねって意味を込めて、まだ私を抱きしめていた茉美の頭を撫でた。
「……あの、すいません」
「……あ!!」
すると突然後ろから声が聞こえて、
茉美はあっという間に私から離れた。
………っの、マジで男好き。
『女の子の友達、志歩ちゃんだけなんだ』
そりゃそうだ。
私だから付き合ってあげられるだけだかんな。
なんでも許してもらえると思うなよ。次やったら絶交だ。
「……あの、
突然参加することになってすいません」
「ううん、全然!
多い方が楽しいし」
私が一人、置いてけぼりになっているそばで、
茉美がナンパしたっていうイケメンと、茉美と金沢さん含むヤンキー集団が話してる。
……その、話し声が、
どことなく、聞き覚えのある声で…。



