「やっぱり…泣いてました?」
「泣きながらウチに来た。
『志歩に嫌われたかもしれない』って」
……茉美は
何度も言うけどデリカシーないし、
楽屋で靴は揃えないし、狭いのに荷物広げまくるし、
嫌なところなんていくらでもあげられる。
でも……なんでかな。
本気で、『もう関わりたくない』って思ったことはない。
……私、もしかしてマゾだった?
「茉美って遠慮ないけど、
意外にメンタル脆いんだよ」
「……」
「独りになるのが、怖いんだろうな。
おれらとか志歩ちゃんが、友達になっちゃったから」
「最初から独りよりも…
ずっと友達でいられるって期待した分、いなくなったら傷は大きくなりますよね…」
アイドルだった頃の自分と同じ。
オーディションに落ちただけならまだ浅かったのに。
マネージャーが期待させるから、何もできなかった自分が嫌になったんだ。



