「ごちそうさまでした」


「ごめんね、アイツら結構食べてたからあんまり残んなくて…」


「いえ。美味しかったです」




茉美に呼ばれてから鍋パに参加したけど、


すでにシメに入ろうとしてて。


シメのうどんを少し食べるだけになってしまった。



そりゃ、長話してた私が悪いんだけど、


誘うならちょっとくらい遠慮せんかい。




「家まで送るよ」


「大丈夫です。
あんまり私の活動範囲、知られたくないので」




茉美に近辺うろつかれるのも困る。学校に来られるだけでも困ってるのに。




「気をつけて帰るんだよ」




玄関で靴を履く私に、そう言ってくる金沢さん。


『おとうさんかよ』って心の中で思いながら、


一人だけ見送りに来てくれたことに、


見た目ヤンキーだけど、この人は律儀で真面目な人だなって思った。