『……あり…っ、
ありがとう、ございました…!!』
感極まってしまい、我慢できずにボロボロと涙が溢れ落ちる。
「泣かないでー!」ってみんなが言ってくれるのが、余計に泣けてきて。
『…あー…っこの後は、待望の結城ひなさんの登場です!
みんな、盛り上げてくれてありがとねー!』
ファンサ慣れしてる茉美が、みんなに手を振って
私を舞台袖まで連れていってくれた。
*
「最後で泣いちゃダメじゃん」
「ごめん〜〜…っ」
舞台袖で泣いているわけにもいかず、
メイクしてた空き教室まで来て、茉美がハンカチを貸してくれた。
「やっぱり直くん、一番に盛り上げてくれたね」
「……うん」
「あれがなかったら、
あたしも動けなかった」



