「プレッシャーで吐きそうにでもなってるかと思ったけど、元気そうね」


「はい。
めちゃくちゃやる気です」


「そう」


「会場温めすぎて、
あなたのライブで冷めちゃったらごめんなさい」


「ずいぶん上から言うじゃない。
楽しみにしてるわ」




もうすぐ幕が開くわよ、と結城ひなが私たちの背中を押した。




「好きにやりなさい。
Mi☆Miの最高のステージを見せてちょうだい」


「「はい」」




ゆっくりと幕が開く。


会場のざわめきが強くなる。



体育館の電気が消え、ライトがステージを照らす。



あぁ…あの地下のライブハウスに似てる。


不本意だけど、少し落ち着くよ。