「わ…結構人いるね…」




舞台袖から体育館を覗くと、


全校集会と同じくらいの人口密度…。




「学園祭の目玉が結城ひなのライブだからね…。
ほぼ全校生徒いるんじゃないかな…」


「プレッシャーぱない!」




だけどこの人たちはみんな、Mi☆Miじゃなくて結城ひなを待っている。


アウェイだし、プレッシャーとかはあんまりないけれど…


ただ、楽しんでもらえなかったら…って、不安はある。


こんなに人がいるのに、誰一人盛り上がってくれなかったらと思うと…



………怖い。




「大丈夫」


「え……?」


「怖いのはあたしも同じ。
……ずっと志歩と同じ景色見てきたんだもん。
だけど、志歩と一緒だから
今は、怖くないよ」




茉美が私の手をぎゅっと握る。



……茉美は、怖いなんて感じてないと思ってた。


だけどその手は、少し震えていた。