「てかあたしさー。
この間、結城ひながこの学校にいるとこ見たんだよね」
「え、マジで!?」
「放課後にね、人気のない部室棟の方で。
その時、直も一緒だった」
そう言った後、『ギャッ!はみ出しちゃった!!』と絵奈ちゃんが叫ぶ。
……梅森くんと部室棟…
あの日、2人で話してた時のことかな…?
「マジ?
梅ちゃん結城ひなと知り合いなのかな?」
絵瑠ちゃんは梅森くんのこと“梅ちゃん”って呼んでるんだ?
私は二人と梅森くんが仲良かったことに驚きだよ。
「前に直、甘ったるい香水つけてたことあったよね」
「あぁ。あったね。
梅ちゃん狙ってた女子が凍りついてたやつね」
あれ絵奈ちゃんたちも聞いてたんだ…。
「そうそう。
なんかあの時、ぼかしてたじゃん。
遠距離とか言ってたけど…
もしかして結城ひなと付き合ってんじゃない…?」
「……絵奈…名探偵か?」
それだ、と絵奈ちゃんに筆を向けて、絵瑠ちゃんは絵奈ちゃんの顔に◯を書いてた。
「ぎゃー!!マジで書かないでよ!!
メイク落とさなきゃじゃーん!!」



