「椿さん目当てとか、椿さんにカバーかけてほしくて本買ってくれる人もいそうだし、助かってるけど」
「え、カバー?」
「椿さんのカバーかけ、綺麗だってみんな言ってるよ」
え、そうなんだ?
カバーかけは、たしかに好き。(得意とまでは言わない)
まだみんなより少し、時間はかかるけど…。
「あ、レジ交代するよ。
あそこの箱のやつ、棚に補充しといてもらえる?」
「はいっ」
レジ横に積まれた段ボールの中身を確認して、「よいしょ」とそれを持ち上げた。
これは雑誌コーナー…っと。
なかなかに重い段ボールを雑誌コーナーの方に運ぶ。
レジからは見えなかったから気付かなかったけど、
近くまで来たら、うちの高校の制服を着ている男の子が、雑誌コーナーの前に立っていることに気付いた。
同じ学校の人いるの、珍しい…。
……って、あれ?
同じ学校の人…どころか、
この人、同じクラスの人じゃないか?



