「……俺は、
勉強も嫌いじゃないし、親にここに行けって言われるのも、別に嫌ではありませんでした。
不自由はないし、わりと快適とまで思える家庭だと思います。
けど……楽しくなかった。
趣味なんてなくて
小さい頃から、“将来の夢は?”って聞かれることが嫌いでした」
「はい?」
「女の子が言う、『お嫁さん』っていうのが羨ましいくらいには、俺には何もなかった」
でも
梅森くんは人気者で
体育の時間も、わりとなんでもできて
勉強もできて
それなのに、夢中になれるものがなかったの?
「そんな時に、あなたに出会って、
見つけたんです、夢」
「夢…?」
アイドルになりたい、とか…?



