初めての時は
宣伝のつもりでティッシュ配りをしていた。
楽しかった。
受け取った人がライブを見にきてくれるんじゃないかって、楽しみだった。
だけど…途中から楽しみもなくなった。
どうせ来てくれないって、スタッフも諦めモードで、だんだん苦しくなった。
梅森くんは
私が一番楽しかった時に出会ってくれたんだね。
そりゃあ…“変わった”って言われても仕方ない。
「……ありがとう」
「え?」
「私たちのファンになってくれて」
梅森くんみたいな人がたくさんいたら
今もずっと、アイドルを続けていたかもしれない。
ステージ以外の、作り物じゃない私を見てくれた人がいたら…
ステージの上でも、もっと楽しかったかもしれない。



