「一目惚れ、したんです」
「……ステージの上の私に?」
「いえ。
ティッシュ配りをしていたあなたに」
…そういえば、初めて見たのはティッシュ配りをしてた時だって言ってたね。
………ん?
ティッシュ配りをしてた私が好きなの??
「……それは…
なぜですか?」
ティッシュ配りをしてた私なんて、
アイドルの欠片なんてなくて、一スタッフみたいなものだったのに…
どこに惹かれるところがあったんだろう?
「他のスタッフの誰よりも、
あなたは笑顔だった」
「……え…」
「ステージの上に立っていたあなたより、
ずっと楽しそうでした」
……まじ?
私、ティッシュ配りを楽しそうにやってると思われてたんだ…。
……いや、たしかに、楽しかったかも。
最初の頃は。



