徹はきっとニコニコしながら美味しい美味しいと言って食べるんだろう。


そして夜にはテレビや映画を見ながら、あの大きなポテトチップスをふたりで食べるんだ。


夜遅い時間になると徹が彼女を送っていく。


いや、もしかしたら泊まるかもしれない。


だって、徹の家には今さっちゃんさんがいないんだから、誰に気兼ねすることだってないんだし。


そこまで考えて左右に首を振る。


自分の妄想のせいで、ジワリと涙が滲んできていた。


「そんなことない。絶対にない」


つぶやく声が震えた。


恋をしたことのある人たちはみんな、こんな辛い気持ちを乗り越えてきたんだろうか。


こんなの耐えられない。


私はキツク目を閉じたまま眠りについたのだった。