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自分の気持に気がついた昨日はしっかりと眠ることができなかった。


何度目を閉じてみてもまぶたの裏に浮かんでくる西原くんの顔。


西原くんの顔と声を思い出してはベッドの中で深刻な顔になったり、笑顔になったりを繰り返す。


佑美が恋だと指摘してきた通りのことだ。


それでも止めることができないのは、やっぱり恋をしているということで……。


私は顔まで布団を引っ張り上げてきつく目を閉じたのだった。


無理やり眠ろうとしてもうまく行かず、翌日は寝不足のまま学校へやってきていた。


「おはよー」


と、いつもどおり教室に入ったときに誰にともなく声をかける。


先に来ていたクラスメートたちの視線が一瞬こちらへ集まり、そしてすっとそらされた。


その態度に私はため息を吐き出して自分の席へと向かった。


昨日の今日でそう簡単に受け入れてもらえるとは思っていなかったけえど、ここまであからさまに無視されるとは思っていなかった。