極甘恋愛短編集

私は目を見開いて聖也を見つめた。


聖也は耳まで真っ赤になり、そんな聖也をみて周囲にいた女子生徒たちがざわめいている。


普段のクールさは今の聖也には少しも感じられなかった。


「聖也、今なんて……?」


質問の途中で私の体は強く引き寄せられていた。


気がつけば聖也の長くしなやかな腕の中に包み込まれていて、ギュッと抱きしめられていた。


周囲から悲鳴が上がる。


しかし、誰も私達に近づこうとはしなかった。


「ずっとずっと美奈子のことが好きだった。だから、無視されたら俺本当にどうしていいかわからなくてっ!」


顔は見えないくらい近い距離にいるけれど、聖也がてんぱっているのは十分に伝わってきた。


必死に気持ちを伝えてくれる聖也の体温は上昇している