「そうだね、たしかに最低だね」


若葉の容赦ない言葉に胸がズキンッと痛む。


やっぱりそうだよね。


自分でもわかっていたことなのに、若葉から直接肯定されるとはやり傷ついてしまう。


そんな自分も嫌だった。


「でもそれって、誰でもそうじゃない?」


「え?」


カラッとした声に顔を上げると若葉は笑顔をみせていた。


「みんなそんなもんだよ。高校受験のときだってさ、一緒に頑張っていた子が落ちても自分が受かったらやっぱり嬉しいと思うでしょう? それなのに、嬉しい気持ちを抑え込んで一緒になかないといけないと思う?」


質問されて黙り込んでしまった。


自分の嬉しい気持ちを抑え込んでまで、友人の感情を優先させるべきなのか?


そう聞かれると、それが正しいことだとは思えない。


自分の感情だって無視しちゃいけないはずだ。


「それと同じでさ、好きな人に彼女ができなくてよかったーって思うのは、普通の感情だと思うよ?」


そっか。