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結局昨日告白されたのかどうか、どう返事をしたのかを聞くことはできなかった。


だけどきっといつかは私の耳にも入ってくるはずだ。


聖也の口から直接その話を聞くのが怖くて、翌日の朝はいつもよりも30分早く起きて家を出た。


こんな時間に起きてさっさと学校へ行くなんてここ最近なかったから、両親とも驚いていた。


「聖也が来たら先に行ったって伝えてね」


そういう私に「聖也くんならきっともう起きてるから、さそって行けば?」と言われたけれど頑なに断った。


今は聖也とふたりきりになりたくないのに、時分から誘うことなんてできるわけがなかった。


そんな私を不思議そうにみつめる両親に理由も離さすに家を飛び出してきてしまった。


早い時間の学校はまだ生徒の数も少なくて、いつもと見慣れない光景のように感じられた。


静かな校舎を歩いてD組へ向かう。


「なんか、こういうのもいいなぁ」


開けられた窓から朝の爽やかさを全身で感じることができる。