そう考えると背筋がゾッとした。


私は聖也からその話を聞いてどんな反応をするだろう。


笑顔で祝福することができる?


本人が目の前にいるから逃げることもできない。


そのときの反応ひとつで今までの私たちの関係が崩れてしまうかもしれない。


『なんだよ、喜んでくれないのか』


そう言って冷たい表情になる聖也のことも簡単に想像できてしまった。


もしもあの冷たい顔をこちらへ向けられたら?


相手になんの興味もないような、あの覚めた顔を……。


スッと胸の中が冷えていく。


あぁ、そうか。


と、納得するところがあった。


どうして私がこんなに怯えているのか初めて気がついた。


私は聖也が見せているあの冷たい顔を向けられたことが一度もないのだ。


それはきっと私と聖也の付き合いが長いから。


聖也が心を許してくれているから。


あの冷たい顔を向けられるくらいなら、今メッセージを確認したほうが……!


ゴクリと唾を飲み込んでスマホを握り締めた。


緊張で手のひらには汗が滲んで、指先はかすかに震えている。