だって、私達は幼馴染なんだから。


頭では理解しているのに、なぜか指先は全く動いてくれない。


文字を打ち込もうとすると心臓が早鐘のようにうち始めて、手のひらに汗が滲んでくる。


「ダメだ、聞けない!」


どうしていつもの調子で質問することができないんだろう。


若葉が意識するようなことを言ってきたからかな?


そう考えているとメッセージが届いたことを知らせる音がなった。


ハッとして画面を確認してみると、相手は聖也からだ。


心臓がドクンッと大きく跳ねる。


もしかして放課後のことを報告されるんだろうか?


告白されて、付き合うことになったとか?


そんなの見たくない……!


一度スマホを置いて深呼吸をする。


このままメッセージを見なかったことにすることもできる。


だけどきっと明日の朝になれば聖也が仏頂面で訪ねてくるだろう。


『どうしてメッセージ見てないんだよ』と。


その姿は安易に想像することができた。


そしてメッセージの内容を本人から直接聞くことになるんだろう。