恭一は、なんだかだましうちのように、ミニサイズ化されたので機嫌がわるいようだ。
「それに、一時間後に俺は普通サイズになる。岡山に到着するのは、三時間後だ。結局、切符代を求められるだろう」
「その心配はいりませんよ」
にこにこと、みちるはバッグの中から小さなチョコの箱を差し出した。
「高級店のチョコレートボンボン。まだたくさんありますから」
それを見て恭一は、げんなりした顔をした。
「負けたよ…」
恭一を悲しませるのは本意ではないが、ミニサイズの恭一と列車の旅をするなんて、胸がきゅんきゅんしてしまう。みちる自身も、自分がこんなにお人形さんごっこ的なことが好きだとは知らなかった。でも、もう今はミニ恭一のために、ドールハウスだって作ってしまいそうだ。
静かになった、と思ったら、恭一は観念したのか、バスケットの中のベッドの上で、眠ってしまった。
寝顔も可愛い…!
またもや、きゅんとして、みちるは身悶える。健やかな寝息を聞いて、昨日のことを思い出した。
昨日、みちるは、恭一に連れられて、北都ホテルの本社に行った。スイーツめぐり限定の常務秘書として、社のえらい人達に紹介されたのだ。
花園製菓の娘だと知ると、皆、この企画の適任者だ、と快くみちるを歓迎してくれた。さすがに恭一も、今回は婚約者、というワードは出さなかった。そのことにみちるは、ほっとした。恭一の手助けをしてあげたい、という気持ちにはなったものの、結婚を考えるとなると、まだ心の準備ができていない。
第一、プロポーズだって、まだされてないんだから…。
みちるは、唇をとがらせて考える。
おつきあいさせてくたさい、っていうのだって、私の親に言っただけだし。私の気持ちはどうでもいいの…?
それに、恭一の気持ちだってわからない。お菓子めぐりに必要だ、とは言ってくれたけれど、そこに恋愛感情はあるのか。
なんていうか、こう…はっきりしない関係になっちゃったな。
でも、昨日、本社に行った時、先任の常務秘書、綾次だけは、他の皆と態度が違った。
「お菓子めぐりの旅なんて、私もお供したいくらい、楽しそうね。でも…あなたの立場なら、ちょっと気をつけてほしいことがあるの。常務、ちょっと最近、仕事のしすぎなの。旅先で疲れが出ることだってあるでしょう。それとなく、休ませてあげるようにしてください。あなたなら、できるでしょ?」
そう言って、軽くウィンクされた。何となくだが、みちると恭一は恋愛関係なんでしょう、と言われている気がした。みちるは笑ってごまかしたが、見る人が見れば、そんな関係にも見えるのかもしれない。
そういうこと、主任は、わかってるのかな…。
バスケットの中で、恭一はぐっすり眠り込んでいた。
「うん。確かに、体が軽いな」
普通サイズに戻った恭一が言った。
「ほら、列車の中で、リクライニングにしても、やっぱり体が凝るだろう。でも、今回はそれがない」
バスケットで寝る前は、機嫌の悪かった恭一だが、思いのほか、バスケットベッドを気に入ってくれたようだ。みちるも、ほっとした。
岡山駅に到着し、駅前の洋菓子店矢野を目指して歩いていた。駅から7分の好立地のお店だ。しかし、それだけでなく、岡山に来たら、必ずこの店にくるという客が多勢いるらしい。
「桃のケーキなんて、楽しみですねえ」
みちるは言った。
岡山の名産である桃を使ったケーキ。それを打ち出している洋菓子店三つを回るのが今日の課題だ。
「そうだな。さわやかでしつこくなく、それでいて印象に残るような…そんなケーキに出会いたいものだな」
その内、洋菓子矢野店に辿り着いた。今日、試食しに来ることは、もちろん了承を得ている。時間も混みあわない午前中にしてもらった。
「お待ちしてました。ホテル北都の槙田さんですね」
店主の矢野さんが、迎えてくれた。イートインできる店らしく、テーブルと椅子が設けてある。その一つに案内され、詳しい話を聞く。ホテルにケーキを卸すとなれば、やはり材料費、運搬費なども重要になってくる。そういった数字の話をざっくりと恭一とした矢野さんは、おもむろに立ち上がった。
「まあ、とりあえずは、食べてみてください」
差し出されたのは、白桃を使ったミルフィーユだった。パイ生地部分が、見ただけでぱりぱりと香ばしそうなのがわかる。
「いただきます」
と言って、そっとパイ生地をフォークでつかまえようとしてはっとした。隣に恭一がいない。考えるよりも早く、椅子のへりに座っていたミニサイズ恭一の頭をはたく。
ぱっと恭一は普通サイズに戻った。
矢野さんが、ぽかん、としている。
恭一は、にっこり笑った。
「すみません、靴紐がほどけて、なおしてました」
ああ、と矢野さんが笑顔になる。
「そうですよねえ。まさか、槙田さんが消えるわけないですもんね。ははは」
深く考えない人でよかったー!!と、みちるは、心の中でガッツポーズをした。
矢野さん、と恭一は声を改めた。
「実は、私、お話ししてなかったのですが、病を患ってまして。甘いものはひと口しか食べられないのです。このミルフィーユは大変美味しい。ひと口食べてよくわかりました。ただ、残りは秘書の木内に食べさせますので、ご容赦ください」
「ご病気で、大変ですな」
やっぱりいい人ー!と内心呟きながらも、つまりこれから試食は2個必ず食べるってことね…!みちるは自分の胃が心配になったが、なるようになる、と言い聞かせた。
「ミルフィーユ2個って…結構、お腹にきますね」
ふう、と息をつきながら、みちるは矢野店を出た後、恭一に言った。
「すまない。ひと口食べた後の段取りをしてなかったから、つい君を頼ってしまった」
素直に謝られてしまうと、みちるも弱い。
「いえ。秘書と言っても、大した役目はないので…これくらい、大丈夫です。お昼をぬくことにします」
「ありがとう。それに、君が迷いなく俺の頭をはたいてくれたのもよかった。次の店でも、あの要領で頼むよ」
「いえいえ。さっきは、ついミルフィーユに気を取られたので、出遅れました。次は、常務がひと口食べるのを確認してから、自分の分を食べます」
「悪いね。さすがに、いくら君が花園製菓の娘さんだからと言って、君だけに試食を押し付けるわけにはいかなくてね。俺としても、どんな味がするのか、ひと口食べてから、うちのホテルで扱うかどうか判断したくてね」
「わかります。父もそう言って、よく話題のお菓子を買ってきてました。どうしてもひと口は食べたいんだよ、って言ってました。おかげさまでもう少しで糖尿病です」
「そうだろうなあ。食べ物を扱うってことは、自分の身を削ってしまうんだよな」
そんな話をしていると、快晴だった空が少し、曇ってきた。雨にならない内に移動しよう、と駅までの道を急ぐ。
駅で各駅停車の電車に揺られること三十分。次の店、パティスリーリリー店に辿り着いた。昨日、みちるがホームページで店の下調べをした時は、小規模で地味な店に見えたのだが、行ってみると、行列ができていた。
特に若い女の子が笑いさざめきながら並んでいる。
人並みを分けて、なんとか店の店員さんに約束していた旨を伝えると、厨房から年配の店主須田が出てきた。
「すみません、お忙しいところ、お邪魔して」
恭一が須田に頭を下げる。みちるも、それにならう。須田は頭をかいた。
「いやいや、こちらこそ。なんでもね、インスタってのに、うちの店をあげてくれた女の子がいて、こんな状態になっちまってね。もう、てんてこまいよ。でも、もうすぐ品切れになるから…そうだな、三十分くらいしたら落ち着くと思うんで。これ食べて待っててくれる」
そう言って大きなシュークリームを手渡される。須田は慌てて、厨房に戻って行った。わあ、美味しそう、これならインスタにあげたくなるのもわかるなとみちるは思った。そしてお茶も欲しいな、とバッグから紅茶のペットボトルを取り出した瞬間、隣にいた恭一の気配が消えた。
ええ?!と、みちるが横を見ると恭一のカバンの陰で、ミニサイズの恭一が、重量挙げの選手のように、特大シュークリームを持ち上げている。
た、食べるなら、食べるってサインが欲しい!と思いながら恭一の頭をはたこうとして、あっと気がついた。
右手にシュークリーム、左手にペットボトルと、両手がふさがっている。
どうしよう!
店内は女性客でざわめいていて、誰か一人にでもミニサイズ恭一を見たらアウトだ。考えてる暇はない!
みちるは、思い切って右足のつま先でミニサイズ恭一のお尻を蹴った。
「美味いな、これ。ひと口じゃ足りない」
普通サイズに戻った恭一がケロリとして言う。
だから、段取り!とつっこみたいみちるに、恭一が、にこにこしている。
「いいな、みちるさん、このシュークリーム二個も食べられて。あ、でも、この後、本命のお菓子も試食するよね。そっちも二個食べるってできる?」
そうじゃなくて!と、言葉を荒げたいみちるだったが、咄嗟にシュークリーム二個、試食のお菓子二個は食べられないと判断し、シュークリーム一個は包んでもらうことにした。
須田の言う通り、三十分ほどで店は落ち着いた。店の奥が自宅になっていて、そこのリビングに案内された。
出されたケーキは、桃とラズベリーのクリームをはさんだスポンジに、チョコレートで表面をコーティングしたもの、だった。なかなか美味しく味わいぶかいケーキだったが、お酒は使われていなかった。
そのため、恭一はミニサイズになることもなく、二人は落ち着いてケーキを試食することができた。
「それに、一時間後に俺は普通サイズになる。岡山に到着するのは、三時間後だ。結局、切符代を求められるだろう」
「その心配はいりませんよ」
にこにこと、みちるはバッグの中から小さなチョコの箱を差し出した。
「高級店のチョコレートボンボン。まだたくさんありますから」
それを見て恭一は、げんなりした顔をした。
「負けたよ…」
恭一を悲しませるのは本意ではないが、ミニサイズの恭一と列車の旅をするなんて、胸がきゅんきゅんしてしまう。みちる自身も、自分がこんなにお人形さんごっこ的なことが好きだとは知らなかった。でも、もう今はミニ恭一のために、ドールハウスだって作ってしまいそうだ。
静かになった、と思ったら、恭一は観念したのか、バスケットの中のベッドの上で、眠ってしまった。
寝顔も可愛い…!
またもや、きゅんとして、みちるは身悶える。健やかな寝息を聞いて、昨日のことを思い出した。
昨日、みちるは、恭一に連れられて、北都ホテルの本社に行った。スイーツめぐり限定の常務秘書として、社のえらい人達に紹介されたのだ。
花園製菓の娘だと知ると、皆、この企画の適任者だ、と快くみちるを歓迎してくれた。さすがに恭一も、今回は婚約者、というワードは出さなかった。そのことにみちるは、ほっとした。恭一の手助けをしてあげたい、という気持ちにはなったものの、結婚を考えるとなると、まだ心の準備ができていない。
第一、プロポーズだって、まだされてないんだから…。
みちるは、唇をとがらせて考える。
おつきあいさせてくたさい、っていうのだって、私の親に言っただけだし。私の気持ちはどうでもいいの…?
それに、恭一の気持ちだってわからない。お菓子めぐりに必要だ、とは言ってくれたけれど、そこに恋愛感情はあるのか。
なんていうか、こう…はっきりしない関係になっちゃったな。
でも、昨日、本社に行った時、先任の常務秘書、綾次だけは、他の皆と態度が違った。
「お菓子めぐりの旅なんて、私もお供したいくらい、楽しそうね。でも…あなたの立場なら、ちょっと気をつけてほしいことがあるの。常務、ちょっと最近、仕事のしすぎなの。旅先で疲れが出ることだってあるでしょう。それとなく、休ませてあげるようにしてください。あなたなら、できるでしょ?」
そう言って、軽くウィンクされた。何となくだが、みちると恭一は恋愛関係なんでしょう、と言われている気がした。みちるは笑ってごまかしたが、見る人が見れば、そんな関係にも見えるのかもしれない。
そういうこと、主任は、わかってるのかな…。
バスケットの中で、恭一はぐっすり眠り込んでいた。
「うん。確かに、体が軽いな」
普通サイズに戻った恭一が言った。
「ほら、列車の中で、リクライニングにしても、やっぱり体が凝るだろう。でも、今回はそれがない」
バスケットで寝る前は、機嫌の悪かった恭一だが、思いのほか、バスケットベッドを気に入ってくれたようだ。みちるも、ほっとした。
岡山駅に到着し、駅前の洋菓子店矢野を目指して歩いていた。駅から7分の好立地のお店だ。しかし、それだけでなく、岡山に来たら、必ずこの店にくるという客が多勢いるらしい。
「桃のケーキなんて、楽しみですねえ」
みちるは言った。
岡山の名産である桃を使ったケーキ。それを打ち出している洋菓子店三つを回るのが今日の課題だ。
「そうだな。さわやかでしつこくなく、それでいて印象に残るような…そんなケーキに出会いたいものだな」
その内、洋菓子矢野店に辿り着いた。今日、試食しに来ることは、もちろん了承を得ている。時間も混みあわない午前中にしてもらった。
「お待ちしてました。ホテル北都の槙田さんですね」
店主の矢野さんが、迎えてくれた。イートインできる店らしく、テーブルと椅子が設けてある。その一つに案内され、詳しい話を聞く。ホテルにケーキを卸すとなれば、やはり材料費、運搬費なども重要になってくる。そういった数字の話をざっくりと恭一とした矢野さんは、おもむろに立ち上がった。
「まあ、とりあえずは、食べてみてください」
差し出されたのは、白桃を使ったミルフィーユだった。パイ生地部分が、見ただけでぱりぱりと香ばしそうなのがわかる。
「いただきます」
と言って、そっとパイ生地をフォークでつかまえようとしてはっとした。隣に恭一がいない。考えるよりも早く、椅子のへりに座っていたミニサイズ恭一の頭をはたく。
ぱっと恭一は普通サイズに戻った。
矢野さんが、ぽかん、としている。
恭一は、にっこり笑った。
「すみません、靴紐がほどけて、なおしてました」
ああ、と矢野さんが笑顔になる。
「そうですよねえ。まさか、槙田さんが消えるわけないですもんね。ははは」
深く考えない人でよかったー!!と、みちるは、心の中でガッツポーズをした。
矢野さん、と恭一は声を改めた。
「実は、私、お話ししてなかったのですが、病を患ってまして。甘いものはひと口しか食べられないのです。このミルフィーユは大変美味しい。ひと口食べてよくわかりました。ただ、残りは秘書の木内に食べさせますので、ご容赦ください」
「ご病気で、大変ですな」
やっぱりいい人ー!と内心呟きながらも、つまりこれから試食は2個必ず食べるってことね…!みちるは自分の胃が心配になったが、なるようになる、と言い聞かせた。
「ミルフィーユ2個って…結構、お腹にきますね」
ふう、と息をつきながら、みちるは矢野店を出た後、恭一に言った。
「すまない。ひと口食べた後の段取りをしてなかったから、つい君を頼ってしまった」
素直に謝られてしまうと、みちるも弱い。
「いえ。秘書と言っても、大した役目はないので…これくらい、大丈夫です。お昼をぬくことにします」
「ありがとう。それに、君が迷いなく俺の頭をはたいてくれたのもよかった。次の店でも、あの要領で頼むよ」
「いえいえ。さっきは、ついミルフィーユに気を取られたので、出遅れました。次は、常務がひと口食べるのを確認してから、自分の分を食べます」
「悪いね。さすがに、いくら君が花園製菓の娘さんだからと言って、君だけに試食を押し付けるわけにはいかなくてね。俺としても、どんな味がするのか、ひと口食べてから、うちのホテルで扱うかどうか判断したくてね」
「わかります。父もそう言って、よく話題のお菓子を買ってきてました。どうしてもひと口は食べたいんだよ、って言ってました。おかげさまでもう少しで糖尿病です」
「そうだろうなあ。食べ物を扱うってことは、自分の身を削ってしまうんだよな」
そんな話をしていると、快晴だった空が少し、曇ってきた。雨にならない内に移動しよう、と駅までの道を急ぐ。
駅で各駅停車の電車に揺られること三十分。次の店、パティスリーリリー店に辿り着いた。昨日、みちるがホームページで店の下調べをした時は、小規模で地味な店に見えたのだが、行ってみると、行列ができていた。
特に若い女の子が笑いさざめきながら並んでいる。
人並みを分けて、なんとか店の店員さんに約束していた旨を伝えると、厨房から年配の店主須田が出てきた。
「すみません、お忙しいところ、お邪魔して」
恭一が須田に頭を下げる。みちるも、それにならう。須田は頭をかいた。
「いやいや、こちらこそ。なんでもね、インスタってのに、うちの店をあげてくれた女の子がいて、こんな状態になっちまってね。もう、てんてこまいよ。でも、もうすぐ品切れになるから…そうだな、三十分くらいしたら落ち着くと思うんで。これ食べて待っててくれる」
そう言って大きなシュークリームを手渡される。須田は慌てて、厨房に戻って行った。わあ、美味しそう、これならインスタにあげたくなるのもわかるなとみちるは思った。そしてお茶も欲しいな、とバッグから紅茶のペットボトルを取り出した瞬間、隣にいた恭一の気配が消えた。
ええ?!と、みちるが横を見ると恭一のカバンの陰で、ミニサイズの恭一が、重量挙げの選手のように、特大シュークリームを持ち上げている。
た、食べるなら、食べるってサインが欲しい!と思いながら恭一の頭をはたこうとして、あっと気がついた。
右手にシュークリーム、左手にペットボトルと、両手がふさがっている。
どうしよう!
店内は女性客でざわめいていて、誰か一人にでもミニサイズ恭一を見たらアウトだ。考えてる暇はない!
みちるは、思い切って右足のつま先でミニサイズ恭一のお尻を蹴った。
「美味いな、これ。ひと口じゃ足りない」
普通サイズに戻った恭一がケロリとして言う。
だから、段取り!とつっこみたいみちるに、恭一が、にこにこしている。
「いいな、みちるさん、このシュークリーム二個も食べられて。あ、でも、この後、本命のお菓子も試食するよね。そっちも二個食べるってできる?」
そうじゃなくて!と、言葉を荒げたいみちるだったが、咄嗟にシュークリーム二個、試食のお菓子二個は食べられないと判断し、シュークリーム一個は包んでもらうことにした。
須田の言う通り、三十分ほどで店は落ち着いた。店の奥が自宅になっていて、そこのリビングに案内された。
出されたケーキは、桃とラズベリーのクリームをはさんだスポンジに、チョコレートで表面をコーティングしたもの、だった。なかなか美味しく味わいぶかいケーキだったが、お酒は使われていなかった。
そのため、恭一はミニサイズになることもなく、二人は落ち着いてケーキを試食することができた。



