私は喧嘩が強いと思っていたけれど、まったく太刀打ちできる相手ではなかった。
強さからして……、間違いなく幽蘭族の人だ。

でも、姫乃さんは銀蘭族の姫になりたがっていたはず。
なのに、どうして幽蘭族の人たちを招き入れたのだろう?

……って、そんなことよりもまずは、この状況をどう打破したらいいのか考えよう。
そっと手を制服のポケットにいれるが、スマホは没収されて手元には無い。

私、一生このままなの……?
そう思うと、心が不安で支配される。

バチがあたったのかな……、一輝に公園で助けてもらったのに、「大っ嫌い!」なんて言っちゃったし、勇飛に関しては知らぬ間に彼の心を傷つけた。