モデルさんみたいなスラッとした体形に、完璧なまでに整った顔立ちをしていた。
けど色の無い目は、無表情で。

周りで興奮気味の女子を無視し、何故かこっちに堂々と歩いて近づいてくるではないか。
「行くぞ、姫華! アイツには関わらない方がいい!」

急に腕を引っ張られて、私はバランスを崩し尻もちついてしまう。
フッと、影が落ちて顔を上げると━━。

「結婚を前提に俺の姫になれ」
「………へ?」

それが私と彼との初めての出逢いだった。