私がそう抗議すると、姫乃さんはやれやれと首を横に振る。
「桜音さん、まるっきり小日向くんの気持ちわかってあげようとしないなんて性格悪いわね~、」
姫乃さんは「小日向くんどう思う?」と小首を左に曲げて勇飛に問いかける。
「ああ、姫華はいつも俺にだけ鈍感。そういうトコ、めっちゃ苛立つよ」
「!!!」
勇飛の言葉が初めて私の胸にグサリと突き刺さった瞬間だった。
私に対しての嫌味や不満はときどき口にしていた勇飛だったけど、最後はいつも笑って許してくれていた。
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