ギィと扉がゆっくりと開いて現れた人物に、私は思わず息をのむ。 だって出てきた男は、紛れもなく幼なじみの勇飛だったから。 「ゆ、勇飛!? どうしてここに!?」 一瞬、勇飛が助けに来てくれたんだと思ったけど、それは違うことに彼の様子で分かった。 制服姿の勇飛は無表情で、眉一つ動かさない。 私の前まで来ると、勇飛は耳を疑うような発言をした。 「姫華、俺と結婚しろ」