「えっ!? ち、ちがっ……、いや、そうでもあるけど……!」
オドオドしながら答える私を見て、ますます二ヤつく一輝。

もうっ、一輝って優しいのか、意地悪なのかわからないよ……、と思ったけどあえて口にはださない。
それから私は、一輝に「一緒に帰りたい」と頼み込んで一応OKをもらった。

ちょうど、帰り道の方向が同じで、私と一輝は並んで歩く。
オレンジ色の夕陽で、地面にふたり分の影が伸びていた。

話を切り出したのは、もちろん私の方から。
「あのね、一輝━━、」

そう呼びかけた時だった。