どうして私を“姫”━━、一輝の女に彼は選んだんだろう?
それに最初出逢ったとき、“結婚を前提に”とか言ったよね?

一体どういうことなのか、私は知りたい気持ちでいっぱいだった。
けれど、帰り支度をしている私が視線だけを動かすと。

「ねぇ、新島くん、一緒に帰ろうよ~」
「ウチら、これから合コンするんだ~、新島くんがいてくれると助かるんだけど~」

猫なで声で、一輝の机を囲って口々に言うクラスの女の子。