一輝の、無駄に整っている顔のせい?
それとも、大切なファーストキスを好きでもない人に奪われたから?

考えれば考えるほど、自分がわからない。
私は顔をブルブルと振ってから、気を取り直して次の授業の鐘が鳴るのを待ったのであった。

そして特に何事もなく学校が終わり、放課後。
私は、これはチャンスだと思った。

ほとんどの生徒は部活に入っていて、クラスでの帰宅部は多分、私と一輝だけであろう。
一輝に聞きたいことがあった私は、帰りに彼を誘おうと思いついたのだ。