「お前、名前は?」 「………桜音姫華」 勇飛に、あれだけ新島一輝には近づくなと言われていたのに、ぽろりと回答してしまう。 「姫華、暴力はほどほどに。あと、人に優しくしろ」 「それ、あなたが言う言葉じゃないでしょ。私は不良やヤンキーが好きじゃないの!」 「ふーん、で?」 「だ、か、ら! 暴走族は大っ嫌いなのっ……!!」 彼は銀色の瞳をこちらに向けてから、やれやれと首を左右に振る。 「大人しそうな癖に、手のかかる女だな」 ━━、グイッ。