「は、はい」
かなこさんは、赤い布のカーテンをシャーッと開ける。

「どう……、かな?」
私は緊張と恥ずかしさで、一輝の顔を直視できなかった。

すると、かなこさんは。
「ふふふっ。邪魔しちゃ悪いから、私はお父さんのところに行ってくるわね!」

そう言って、そさくさと部屋から出て行ってしまう。
一輝は、驚きの表情を浮かべたまま固まっていた。