「もー! 勇飛ったら! 冗談にも程があるよ! まぁ、でも私が悪いのが事実なんだけどね……、一輝、どうしたの?」
一輝は、勇飛が逃げて行った方向を見ていて、そのまま動かない。

「あ、なんでもない。いい奴だな、アイツ」
「うん! 小さい頃からずっと自慢の幼なじみだからっ!」

私は満面の笑みで一輝にそう言った。
でも、勇飛が私に「冗談だからさ」と嘘をついたことを、一輝だけが知っているのを私は全く気が付かなかった。