けど彼は、制服の上着を脱ぎ棄てて、白いシャツ一枚になる。
腕まくりをして、まるでボクサーのようなポーズをとる勇飛。

勇飛の瞳は、しっかりと私を捉えていてゾッとした。
「……っ、わかったよ」

私の後ろにいた一輝は、その声で特に口出しせず後ろに下がる。
じりじりと距離をつめていく勇飛。

だけど私は━━、目を地面に伏せてしまった。
そして、瞳にたまった涙が、つうっと頬をつたってアスファルトに染みをつくる。