「あ? いいだろ。俺が見せつけたいんだよ。姫華は俺のもんだって」
一輝は、ニヤリと口角を上げる。

うう~……、ドキドキしすぎて、朝から心臓に悪い……っ。
そう思っていると。

前方からスタスタと現れたのは、ずっと口を聞いてくれなかった幼なじみの勇飛だった。
「あ! 勇飛、おはよう!」

私は、何の気なしもなく、勇飛に声をかける。
「姫華……、俺は……、」

ボソボソと話す勇飛の声がうまく聞き取れなくて、私は「え? なに?」と聞き返す。
「俺は━━、お前が好きなんだ、姫華。小さい頃からずっと……」