掴んでいた手を離し
「無理に言わせようなんて思ってない。
直接言うのが嫌ならメールでもいい。
いつでも聞くよ、私も、蓮も、類も。
私たちは否定しない、味方だから」
そう訴えると雪希は何も言わずに部屋へ
戻ってしまった。
(雪希、)

しばらくして蓮と類が帰ってきたから事情を話すと、目を見開いたがすぐに
「そんなに思い詰めてたのか」
「どうしたらよかったんだろう」
と悩んでいる、もちろん私も。

もう要らない、可愛い服も小物も全部ゴミにまとめて明日出してしまおう。
男らしい服を飾らない雑貨を揃えないと。
週末に蓮に買い物付き合ってもらおうかな。
ー普通でいないとー

その日はもう全てがどうでも良くなり部屋に籠り翌日、体が重くて起きるのが難しかったが体に鞭を打って下に降りるともう3人が
朝食を食べていた。

3人は僕を見るなりギョッとして、舞は持ってた箸を落とした。
みんな一斉に立ち上がり、
「ちょっと雪希!
めちゃくちゃ顔色悪いじゃん!」
「「髪が短くなってる!!」」
「そっち!?」
そっか昨日は二人に合わなかった。
「うるさい」
「「「ごめん」」」
咄嗟に出た低音ボイスに驚き口を隠すが
舞たちは反射的なのか驚いたのか謝って
きた。

「今日、具合、悪くて、学校、休むね」
ポツポツと俯いて話す僕に
蓮と類はそれぞれ肩に手を置き
「学校に行くことだけが全てじゃない」
「たまにはじっくり考えるのも大事だよ」
と言い二階に上がって行った。
舞も
「嫌なこと全てに立ち向かわなきゃいけないことはないよ。立ち向かってばかりだと疲れちゃうからね」
と僕に言い2階へ。

「それじゃあ、行ってくるね」
「うん、いってらっしゃい」
舞たちが制服に着替え登校を見送り、
ソファに座る。
(サボっちゃったな、学校)
台所の横にある指定ゴミ袋を数枚取り
部屋で仕分けして入れていき
袋の口を閉じゴミ置き場へ。

部屋で勉強をしたり軽くストレッチしたり
1日を過ごし夕方にはみんな帰ってきた。
舞たちが学校に登下校してレッスンに行って
僕は学校を休んで1週間が経った。
その間レッスンは欠かさず行った。

学校に行ってないのにレッスンに行くなんてと思って舞たちに言ったら、
「学校とレッスンは別」
「周りの意見は放っておけ」
「やりたいならやったほうがいい」
と間髪入れずに言われた。

レッスン場へいくと杏奈さんたちに、まぁ色髪のことをいろいろ言われた。
長い髪もったいないだの、短くても似合うとか最強じゃん、とか。
「可愛い男の子っていいよね、」