次の日のレッスンから蓮が入り4人揃った。
蓮は肩の怪我もあるので体力作りに勤しむ
ことになった。

少し離れたところにランニング場があるので
そこで走っている。
1時間のレッスンが終わり、休憩がてら様子を見に行く。
私たちに気がつくと蓮はランニングをやめ
歩き出す。
蓮は息を荒げながら近づいてきたから近くにあった、タオルを蓮に向かって投げる。

「ずっと走ってたの?」 
「まぁな。そういえばもう、2月半ばだけど雪希は進路どうするんだ?」
私の問いに蓮は適当に答え、雪希に話を振る
「あー、どうしようかな。」
雪希は珍しく眉間に皺を寄せていた。

「僕の個性をどう思うかなって。受け入れてくれるところは少なそうだなって。」
「うーん、私たちみたいに全ての人がサラッと受け入れてくれる訳じゃないし、」
みんなして悩んで知ると、
「あ、雪希、舞。そろそろ戻らないと。」
「あ、そうだね、じゃあ蓮、
僕たちは戻るね」
「おー、また後で」
類たちが戻っていったので俺もジョギングを続ける。

翌日朝の会の後先生が、
「日比谷、昼休み、生徒指導室に来い。」
「え?はい」
「舞、何かやらかしたの?」
後ろから紗南が茶化す
「やらかした覚えは、」
脳裏に一つの可能性が浮かぶ
「ない」

ー昼休み、生徒指導室ー
「なんで呼び出されてるかわかるね」
担任の笑顔が怖い。
「すみませんが、なんのことか」
シラを切るが
「記憶をなくしていたようだね」
「はい?」
予想もしない言葉に間抜けな声が出る。

「事故で記憶をなくしたって」
「えっと、誰が、ですか?」
類たちが話す訳ないし蓮は知らないし、
「紗南、ですか?」
(紗南がいうかな?)
「いや、ネットニュース」
「ネットニュース!?」
先生がスマホを操作して私に見せた画面に
勢いよく机に乗り出し、椅子が倒れる。
「あ、すみません」

椅子を直し画面を見ると、トップに
舞が記憶喪失、蓮が意識不明で緊急入院
どうなる、Rainbow Rose
「なんでこんな記事が、」
「わからない、どこかでRainbow Rose
の情報を掴んだ人が載せたんだろう」
「でも、私は記憶を取り戻してますし
蓮、先輩だって大丈夫ですし」
「でも世間は問題視している。」
「ごめんなさい、私たちの問題が」
「気にするな、それだけ人気が出てきたこと俺に言わせれば誇りだけどな」
先生は微笑んで言った。

「さて、この話はここまでにして、本題は
高坂の家に乗り込んだんじゃないか」
笑顔だがどこかに圧を感じる
「え、」
「なんで、そのことが」
「高坂のお父様が電話で教えてくれまして
人の家の問題に土足で乗り込むなんてどんな教育してるんだ、と」
(そういえばその時制服だったな)

でも
「ちゃんと靴は脱ぎましたよ!?」
「そうじゃない!!」
「さっきは誇りだって言ってくれたじゃないですか!?」
「それはそれ、これはこれだ!」
その後私は昼休みが終わるギリギリまで先生に説教された。