次の日は2人して学校だったので仕方なく
登校する。クラスのみんなは昨日のことを
知ってか知らずかヒソヒソなにか言っている
自分のことを言われてると思ってしまう。
授業にも集中できず、窓の外を眺めるばかり

「ば、蒼葉、蒼葉 類!!」
「は、はい!」
先生に呼ばれているのも気づかず、
フルネームで呼ばれてやっと立ち上がる。
教室の至る所からクスクスと聞こえる。

「どうした、ずっとぼーっとして。
集中が足りてないぞ」
先生たちは俺がアイドルをしていることは
知ってる。ただそれだけで活動とかには興味がないらしい
「すみません」
(学校に来ただけでも褒めて欲しい)

昼休みになると、具合が悪いから早退したいと養護教論の先生にいうとあっさり担任には言っておくからと早退の許可が降りた。

これ以上学校にいてもどうせ集中できない。
寮に帰ると、
「おかえり、類」
「帰ってたのか、雪希」
「帰ってきたっていうか学校行こうとしたんだけど帰ってきた。
上の空になるだろうなって。学校にはちゃんと連絡したから安心して。」
「そっか。今から」
「さっき、病院行ってきたんだ。舞と蓮の
様子を見に。2人ともまだ目、覚めてないみたい」

ー病院、様子見に行こうか?ー
そう言おうとしたら、遮られた上に
1人で行って来たと言った。
そっか俺も後で行ってみるよ、と言えば
よかったのに
「勝手に言ったの?」
「え?」
気づいたらそう言っていた。
一度栓が取れてしまえば止まれない

「心配だったのは雪希だけじゃない。俺だって学校で気が気じゃなかった。
リーダーなのに何もできなくて。
せめてお見舞いだけでもリーダーらしいことをしたくて、ちょっと勝手じゃない!?」
(ダメだ、ブレーキが効かない)

「た、たしかに一人で勝手に行ったのは
ごめん。でもリーダーらしいって何?
類の理想を僕に押し付けないでよ!?
舞も蓮も目覚めなくて不安なのはわかるけどそれは僕もだよ。類にこれ以上負担をかけたくなくて、だから、」
「リーダーの肩書を背負ってる俺の気持ちは雪希にはわからないよ」
雪希の言葉を遮り吐いた言葉の冷たさに自分でも驚く。雪希を見るのが怖くて背中を向ける

「なに、それ。
リーダーなのがそんなにえらいの!?
・・・僕の主張はほんの
少しも聞いてくれないの?」
雪希が吠えた後、消えそうな声でそう言った

「ごめん、今は類と一緒にいたくない」
雪希は足早に横切り、玄関に向かう。
ドアの閉まる音が重く響き、部屋は無音になる。
焦りと苛立ちと不安が混ざり、自分でも
自分の気持ちがわからなくて、
八つ当たりして傷つけて
自責の念に駆られて、
こんなリーダー誰も望んでないよな
「ごめん、ごめんな。雪希」